トライアドの種類 〜その1〜
コードの基本となる三和音。
メジャー、マイナーはすでに慣れ親しんでいることと思いますが、mb5(ディミニッシュトライアド)や#5(オーギュメント)も出てきましたし、ここで三和音にはどんなコードがあるのか取り上げてみようと思います。
【今回のポイント】
●トライアドの種類の把握
●各コードのフォームの一覧
●基本形と転回形の解説
●オープン・ボイシングの説明
三和音の種類
コードの基本となる三和音は基本的に「ルート」「3度」「5度」の3つの音の組み合わせで成り立っています。
3度は「長3度/メジャー3rd」と「短3度/マイナー3rd」があり、5度は「完全5度/パーフェクト5th」を基本に、半音下がった「減5度/ディミニッシュ5th」半音上がった「増5度/オーギュメント5th」があります。
これらの組み合わせの違いがコードの違いになってきます。
基本になるのはメジャーコード。
構成音は「ルート」「長3度/メジャー3rd」「完全5度/パーフェクト5th」。
メジャーコードの3度が半音下がるとマイナーコードになります。
構成音は「ルート」「短3度/マイナー3rd」「完全5度/パーフェクト5th」。
マイナーコードから5度が半音下がるとマイナー・フラット5/ディミニッシュ・トライアドになります。
構成音は「ルート」「短3度/マイナー3rd」「減5度/ディミニッシュ5th」。
5度の変化はメジャーコードにもあります。
メジャーコードの5度を半音あげるとシャープ5/オーギュメント。
構成音は「ルート」「長3度/メジャー3rd」「増5度/オーギュメント5th」。
3度を変化させるとまた別のコードが生まれます。
メジャーコードの3度を半音上げて4度にするとサス・フォー(sus4)。
サスは英語のsuspended(保留された)の略で、sus4を鳴らしてから4度を3度にしてメジャーに解決すると名前の由来が分かると思います。
構成音は「ルート」「完全4度/パーフェクト4th」「完全5度/パーフェクト5th」。
sus4の転回形なのですが、メジャーの3度を1音下げて2度にするとサス・ツー(sus2)と呼ばれるコードになります。
(例) C – F – G は Csus4
F – G – C は Fsus2
*sus2はsus4の転回形なので、個別のコードとしては三和音は「メジャー」「マイナー」「mb5」「オーギュメント」「sus4」の5種類なのですが、sus2を個別のコードとして6種類とする考え方もあるようです。(僕の勉強不足で不確かで申し訳ありません。ただ、僕がジャズの先生から教わった時にはロサンゼルスではsus2と呼ばれていると聞きました。)
構成音は「ルート」「長2度/メジャー2nd」「完全5度/パーフェクト5th」。
各コードの違いをこうやって比較すると覚えやすいと思います。
それぞれの三和音のフォーム
それぞれのコードのフォームを同じポジションで確認してみましょう。
三和音の第一転回形
上記のコードは、下から「ルート」「3度」「5度」という積み重ねの基本形です。
一番下だったルートを上に持っていくことで「3度」「5度」「ルート」という形に変わります。これを第一転回形と呼びます。
第一転回形は3度が一番低い音になります。
三和音の第二転回形
第一転回形に続いて、さらに下になった3度を上に持ってくることで第二転回形になります。
第二転回形は5度が一番低い音になります。
三和音のオープン・ボイシングの例
ここまでは構成音が1オクターブ内に収まったクローズド・ボイシングと呼ばれる積み重ね方で、真ん中の音を1オクターブ上げたり下げたりすると下の音と上の音が1オクターブ以上の広がりになります。この積み重ね方をオープン・ボイシング、それによって生まれるコードをオープン・コードと呼びます。
「ルート」「3度」「5度」となっている真ん中の「3度」を一番上に持ってくると(あるいは、「5度」「ルート」「3度」となっている真ん中の「ルート」を一番下に持ってくると)「ルート」「5度」「3度」という積み重ねになります。
音符で見ると音域がどれだけ広がったのが分かりやすいですね。
指板ではどのような配置になるか音を出しながら確認してみましょう。
このフォームはE型、A型、D型のコードの一部を省略した形とも言えます。クローズド・ボイシングよりも覚えやすく使いやすいので、ぜひ指に覚えさせてみてください。
当ブログではオープンコードは深く取り上げませんが、他にも3度が下の積み重ね、5度が下の積み重ねもありますので興味がありましたら研究してみると面白いと思います。
一例を上げておきますので、ここから各構成音を入れ替えてご自身で確かめてみてください。
さて、最小の構成音がわかったところで今度はCAGEDシステムではどんな並びになっているか…と行きたいところですが、今回はここまでにしてCAGEDシステムの並びは次回のトピックで取り上げたいと思います。
今回の内容を覚えておくと、CAGEDシステムでの音の並びが、なぜあのような配置になっているのか分かってきます。
そうなるとたくさんのフォームを覚えなくても、一つのフォームから他のコードを派生させることができるようになるので便利ですよ。
ぜひ、今回の内容を覚えておいてください。
それでは、また次回のトピックで。
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