コードとスケールの架け橋
令和の時代になりましたね。
みなさん、新しい時代でこんにちは。
令和という新しい時代でも、ステップアップを目指すギタリストさんのお役に立てるようなコンテンツをお届けしたいと思っていますので、のんびりペースの更新ではありますが、よろしくお願いいたします。
さてさて、コードといえば同時に鳴らすか、アルペジオを奏でるかと捉えているギター弾きさんは、かつての僕も含め、けっこう多いのではないかと思います。
でも、ピアニストさんってもっと自由にコードを使えているような気がしませんか?
あの違いってなんなんでしょうね?
同じコードのはずなんですけどね。
ソロのアドリブにしても、僕たちギター弾きとピアノ弾きさんは何かアプローチが違うような気がしませんか?
バンドでジャムしたりするとギターのソロってリックやフレーズの応酬って感じになりがちだと思うんですけど、ピアニストさんのソロってバラエティ豊かな音使いでもっと音楽的に聴こえません?
僕はブルーズやロックをしていた頃、何でキーボードプレイヤーはあんなに自由に音を使えるのか、高いところから低いところまであんなに素早く行ったり来たりできるのか、不思議でしかたがありませんでした。
僕がその当時使えたのなんて、コードのアルペジオとペンタトニックスケール、手グセのチョーキングを交えたフレーズぐらい。
コードがめまぐるしく変わる曲のソロなんて弾けませんでした。
でも、ちょっとした知識を身につけると、コードとペンタトニックスケールだけでもかなり音楽的なソロをとることができるようになるんです。
今回のトピックは、そんな世界の入り口のお話です。
それでは、令和最初のトピックに入りましょう。
単音で使うコードトーン
アルペジオって言ったら、コードの構成音をタイミングをずらしてパラパラ弾く奏法ですよね。
アルペジオ奏法はギターの魅力の1つですよね。
同時に複数の音を出せる楽器ならではの、コード感溢れる表現です。
じゃぁ、サックスやトランペットプレイヤーはコード感溢れる演奏はできないのかというとそんなことはありません。
ちょっと、ジャズのサックスソロやトランペットソロを思い浮かべてみてください。
目まぐるしくコードが変わっていく中を自由に泳いでいるような気がしませんか?
なんであんなに複雑なコード進行の中で、コード感を持ったソロが取れるんでしょうね?
その理由の1つに、フレーズの中にコードトーンを組み入れているという点が挙げられます。
ピアノやギターのように同時に複数の音を鳴らすことができなくても、コードトーンをなぞったフレーズを使うことで、コード感を強調した演奏をすることができるんです。
例えば、C – C – F – F というコード進行があったとしましょう。
この進行はCメジャースケールだけでも弾くことができます。
もっとコードが変わった感じを演出したいと思ったら、スケールの中の音を選んで使うことでコード感を演出することができます。
でも、どうやって選んだらいいのか分からないですよね。
そんな時に便利なのがペンタトニックスケールです。
スケールというのは多くの場合、7つの構成音でできています。
ペンタトニックスケールは5つの音のスケール。
つまり、7つのうちの5つに絞り込んで使えるようになるって訳です。
スケールと言ったって、全部の音を使わないといけないってものではありませんし、むしろ音を意識して選べるというのは大切なことです。
スケールを覚えた時って全部の音を使わないとダメみたいな錯覚に陥ってしまうかもしれませんけど、全然そんなことはありません。
むしろ、そのスケールの中の音を選んで、どんな音楽を作るかってことが大切なので、全部の音を使ってるかどうかっていうのは、あまり音楽的な考え方ではないのではないでしょうか。
では、コードがCの時にCメジャーペンタトニックスケール、コードがFの時にFメジャーペンタトニックスケールを使ってみましょう。
Cメジャースケール一発の時よりもフレーズの滑らかさが減りましたが、メロディにコードの違いが出てきたように感じませんか?
これがスケール一発のソロからコード感を意識したギターソロ、メロディラインの世界への入り口(の1つ)といったところでしょうか。
ちょっと今までとは違った世界が見えてきたような気がしませんか?
さて、これでコードチェンジを意識したギターソロ、メロディラインというものがどういうものか、なんとなく意識できてきたのではないかと思います。
さらにコード感を演出したい時はどうしたら良いと思いますか?
メジャースケールからペンタトニックスケールへと、使う音を絞り込んだことでコード感が強調されました。
さらにコード感を強めたかったら、ぺンタトニックスケールからさらに音を絞り込んでコードトーンのみにしてしまうんです。
なんと大胆な!
考えてみれば、コードの構成音しか使わないのですからコード感が強調されるのは当然ですよね。
むしろ、コード感しかないという。
なので、スケールを使った時の音の滑らかな繋がり、スケール感というのは薄れてしまいますが、スケール感が欲しくなったらスケールの音を混ぜていけば良いので、その辺りをお好みで行ったり来たりすることで、プレイの幅を広げていくことができます。
どうでしょう?
コード感がより強調されて聞こえませんか?
これがコードストローク(コード弾き)やアルペジオとはまた違ったコードの使い方になります。
コードを同時に鳴らすのではなく、コードの構成音を選んで使うんですね。
この発想が身につくと、スケールの中でもコードの構成音とそれ以外の音を区別することができるようになります。
例えば、メロディーの解決音や長く伸ばす音は、コードの構成音にしておくと説得力がでます。
ギターソロでどの音で伸ばしたら良いか迷ったら、コードの構成音で伸ばすことを意識してみてください。
上記の3つの動画をまとめたものも載せておきますね。
コードフォームとペンタトニックスケールの間に
コードの構成音を使いはしますが、コードを同時に鳴らす時と違って左手でコードフォームを押さえる必要はありません。
むしろ、スケールの中の音を選んで使うというイメージです。
ですので、1つの弦に対して音が1つの時もあれば、2つの時もあります。
コードフォームが1つの弦に対して1音、ペンタトニックスケールが1つの弦に対して2音だったので、ちょうどその中間的な存在ですね。
これもスケールと同様に隣り合ったポジションを自由に行き来できるので、慣れてきたらスケールのポジションに対応させて使ってみてください。
それぞれのポジションをまとめるとこんな感じになります。
コードのフォームが頭に入っていれは、それほど複雑ではないと思いますがいかがでしょうか?
音の並びは覚えられても、これを実際に使えるようになるにはかなりの慣れが必要なので、じっくりと練習していく必要はありますけど、それだけの価値はあります。
この音使いは、ピアニストさんがコードトーンを駆け抜けていくような素早い上昇あるいは下降をしていくフレーズをギターで表現する際にとても有効です。
メジャースケール、マイナースケール、ペンタトニックスケールにさらにこのコードトーンを組み合わせると、フレーズやメロディーの幅が格段に広がりますので、ぜひご自身の演奏にお役立てください。
令和もよろしくお願いします
平成最後となる前回のトピックで、次は4和音を取り上げようかというお話をしたんですけど、こちらの方が先かなということで、今回はコードの構成音のスケール的使い方のお話をさせてもらいました。
スケールの中からコードの構成音を選んで使えるようになると、音楽的に深みのある音使いができるようになりますので、ギターソロだけでなく作曲にも役立ちます。
コードとスケールを自由に行ったり来たりできるようになりたい方、作曲する際に多彩なメロディーを書けるようになりたい方には、今回のトピックはその世界への扉になることと思います。
しっかりと指に覚えこませて、ご自身のものにしてもらえたら嬉しいです。
今回は令和最初のトピックだけあって、重要なポイントを取り上げさせてもらいました。
新しい時代の第一歩は、やっぱり新しい世界への扉で飾りたいものですよね。
時代の幕開けとともに、あなたのギターの演奏も新しい世界への扉が開きました。
月1更新になっちゃってますけど、令和でも役立つトピックをお届けしていきますので、今後ともよろしくお願いいたします。
それでは、また次のトピックでお会いしましょう!
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